飯名水引工房の紹介

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飯名水引の紹介

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水引の歴史は古く、350年くらい前から始まります。もともとこの地域では、紙漉き和紙を作り、武士の丁髷(ちょんまげ)、日 本髪、力士の髷(まげ)に使った元結(もとゆい、もっとい)を作っていました。
私どもが子供の頃にはまだ、工房の周辺にも紙(和紙の原料の楮(こうぞ)、三椏(みつまた))が自生 していました、自然が少なくなった今でもその木を少しですが見ることができます。
しかし時代は移り、明治に入り1871年(明治4)の断髪令以後は元結の仕事も少 なくなったそうです。
その頃から宮中の送り物に紅白の水引を飾りとして使うようになってきたようです、時代が 変わるにつけ紅白から金銀になってきました、金銀といってもその当時は手巻きの金銀でした。

今では色々の水引が出来ています。 私が生まれ物覚えがついた時から水引を見て育ちました、祖母さんが紙のテープ(ひろと言っていました)に撚りを入れていました、その撚りを入れた紐状のものに、父母さんが撚りを入れて丈夫にし切れないようにし ていました、それには海藻の糊状のものを塗り乾燥し又塗り乾燥しての繰り返しをしていました。
私はその頃、 姉、兄と一緒に父母の使うつのまた(海藻)をお湯で溶かすために棒でかき混ぜることを手伝いました。
水引の 元の紙のテープは、祖母さん父母さんは近くの水引問屋から支給された紙を使い、作業をして工賃仕事の現金 収入を得ていました。
この地区ほとんどの家庭が、農家の現金収入は養蚕、水引でした。
今では津々浦々、水引を購入して細工をして製品にしていますが、この土地「名古熊」「代田」の片羽地区はと ても水引を作る方が多かったです。
水引発祥の地と言えるところです。
今、昔ながらの作業工程を知っている方、歴史を直に語れる方は僅かです。 

飯名水引の薀蓄(うんちく)は以上ですが、水引はとても奥深いものです。是非工房で手作業をご覧いただきながら詳しいお話しをしたいと思います。
きっと、他の体験会では味わえない、本当の水引が体験できるはずです。
店主 関島